最初に断っておくが、当記事は銘柄の株価が今後上昇する事を保証したり、買い推奨したりする性質のものではない。あくまで現状の材料に基づいた個人の私見であり、当記事を参考にして株式売買をした結果として損失が発生しても一切保証出来ない事は留意されたい。
今回は、マイクロ波化学 (9227)について簡易的に考察して株価動向を予想したい。
初値は公開価格を割れも、驚異の上場から3日連続ストップ高達成
マイクロ波化学 (9227)は2022年6月24日(金)、東証グロース市場に新規IPO上場した。銘柄の概要は下記の通り。
マイクロ波化学プロセスの研究開発やエンジニアリングのほかライセンス事業を手掛ける。
公開価格は605円、初値は550円、上場来高値は908円、上場来安値は539円。尚、上場初日は公開価格を割れて初値形成した後、3日連続でストップ高引けを達成。
公開価格を下回ってのスタートとなったが、初値形成後は買いを集め株価は強く推移し、10時30分過ぎにはストップ高の650円に上昇。
<9227> マイクロ波化学 750 +100
ストップ高。前営業日の24日に公開価格(605円)を9.1%下回る550円で初値を付けたが、一転して買い優勢となっている。マイクロ波は化石資源より大幅な二酸化炭素削減が可能とされ、23年3月期の営業損益予想は0.67億円の黒字転換(前期実績は0.87億円の赤字)を見込んでいる。脱炭素関連銘柄としてのテーマ性や良好な業績予想にもかかわらず初値が低かったことから、買いやすさを感じた向きの投資資金が流入しているようだ。
同月28日前引け後には、昭和電工 (4004)ネタ(マイクロ波【9227】2022年06月28日 開示情報 - 使用済みプラスチックから基礎化学原料を直接製造する マイクロ波による新たなケミカルリサイクル技術の共同開発を開始)を開示。
マイクロ波化学<9227>=ストップ高。この日の午前中、昭和電工<4004>とマイクロ波を用いて使用済みプラスチックから基礎化学原料を直接製造するケミカルリサイクル技術の共同開発を開始したと発表しており、これが好感されている。今回の共同開発では、電子レンジでも使用されている電気加熱技術の一つであるマイクロ波加熱を利用。容器包装などに用いられた使用済みプラスチックにマイクロ波を照射して分解し、エチレンやプロピレンなどの基礎化学原料を製造する技術の開発に取り組むという。まずは基本技術の確立に向け、年末までにマイクロ波加熱分解物の生成条件検討、目的成分の収率向上に向けた触媒などの探索、分解条件や分解プロセスの最適化などに取り組む予定としている。なお、同件による業績への影響は軽微としている。
又、同月30日の場中には住友化学 (4005)がNR(旭川高専と住友化学、ターコイズ水素製造の工業化を加速 | ニュースリリース | 住友化学株式会社)を出している。
また、22年2月21日に公表したマイクロ波化学株式会社との共同開発に旭川高専との共同研究の成果を活用し、より高効率な水素製造プロセスの工業化を加速します。
目下ロックアップ解除で上値抑制も、下値メド確認からの反発兆候
この銘柄は公開価格605円の1.5倍である908円をつけた事で、VC(ベンチャーキャピタル)等の既存大株主のロックアップが解除されている。その為か、直近は上場初日から3日連続でストップ高をつけた勢いが嘘の様に上値を抑制されているが、700円付近を軸として下げ止まりからの反発兆候も見せているのも事実。
今後の株価推移については、現在は初値550円から上場来高値且つロックアップ解除908円の中間辺りである700円付近で揉み合い、目下時価総額が4,000億円超えの昭和電工 (4004)や同じく8,000億円超えの住友化学 (4005)等との関係が有る事から今後も何処かしらの大手企業との材料が出る展開が期待出来る等、今は908円をブレイク出来る日が何時か来るであろうとの期待を胸にしながらも売り爆弾の驚異を片時も忘れずに700円割れをコツコツ拾っては噴いたら利確を繰り返して糊口を凌ぐ戦法が奏功しそうな状況に映る。
無論、今後突如として何らかの悪材料が出現したり地政学リスク等に見舞われて株価暴落が起こらない保証は一切無い点は言うに及ばない。