最初に断っておくが、当記事は銘柄の株価が今後上昇する事を保証したり、買い推奨したりする性質のものではない。あくまで現状の材料に基づいた個人の私見であり、当記事を参考にして株式売買をした結果として損失が発生しても一切保証出来ない事は留意されたい。
今回は、Green Earth Institute (9212)について簡易的に考察して株価動向を予想したい。
初値から大幅上昇するも、その後高値から1/3以下に大暴落
Green Earth Institute (9212)は2021年12月24日(金)、東証マザーズ市場に新規上場(IPO)した。現在は東証スタンダード市場に属し、銘柄の概要は下記の通り。
バイオリファイナリー技術を活用した、グリーン化学品の開発や事業化を手掛ける。
公開価格は1,160円、初値は1,160円、上場来高値は1,994円、上場来安値は560円。
<9212> GEI 1460 -
公開価格(1160円)と同額の1160円で初値を付けた。会社設立は11年9月1日。事業内容はバイオリファイナリー技術を活用したグリーン化学品の開発・事業化。22年9月期の営業損益予想は0.03億円の黒字(前期実績は0.63億円の赤字)。採択された新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の事業収益計上、過年度で締結したライセンシーの販売量や自社販売の拡大、研究開発契約の締結などで黒字に転換する計画としている。
GEI<9212> 1950 +215
テーマ性強い脱炭素関連の直近IPOとして人気化。
目下底打ち寂聴から一時4桁復帰、材料豊富で再起を期待
今年3月11日に上場来安値560円をつけてからは底打ち寂聴、翌月1日には1,244円迄と短期で2倍超えのリバを達成。
<9212> GEI 1060 +150
ストップ高。三井化学<4183>とバイオポリプロピレンの原料となるバイオイソプロパノール製造で研究開発契約を締結したと発表している。バイオポリプロピレンの商用生産に向けた取り組みを促進することが目的。ポリプロピレンは容器や自動車部品、包装材料などに利用されており、現在は石油を原料としている。このためバイオプロセスで製造するポリプロピレンの拡大が望まれているという。
以降も、時折材料を出しては株価が上昇。
<9212> GEI 859 +36
大幅に反発。DIC<4631>とバイオプロセスによるβ-アラニンの商用生産のため、ライセンス契約を締結したと発表している。β-アラニンは、ビタミン中間体やサプリメントのほか、界面活性剤や医薬原料など幅広い分野で利用されている化学品。Green Earth Instituteが保有するβアラニンに関する知的財産権をDICにライセンスし、生産効率の高いバイオβ-アラニンを開発段階から商用段階に移行させる。
日本ハイドロパウテックが保有する食品などを加水分解する技術をGEIが得意とする発酵技術と組み合わせることで、食品残渣や農業残渣を化学品にアップサイクルする生産プロセス技術を構築するのが狙い。なお、同件による業益への影響は軽微としている。
<9212> GEI 894 +148
大幅に3日続伸。新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)から委託を受けているバイオファウンドリ事業の一環として、拠点の一部の稼働を開始したと発表している。千葉県茂原市の三井化学<4183>工場にあるバイオエンジベンチと、同県木更津市のGreen Earth Instituteのインキュベーションセンターが稼働を開始した。来年春には新設のバイオファウンドリ研究所(仮称)が稼働する予定。
今日の後場14時にも材料を豆乳し、株価は一時ストップ高1円手前の858円迄急騰。
本事業の公募に対し、6件(委託事業5件、補助事業1件)の応募があり、申請書類による事前審査及び有識者で構成される評価審査委員会による審査を行った結果、以下3件(委託事業2件、補助事業1件)の事業について選定しました。(委託事業2件)
事業者名(五十音順) 事業名 事業の概要 ①廃棄物等バイオマスを用いた省CO2型ジェット燃料又はジェット燃料原料製造・社会実装化実証事業 Green Earth Institute株式会社 木質バイオマス由来のバイオジェット燃料生産実証事業 微生物を活用する技術を使って、古紙等の木質バイオマス由来のパルプを原料とするバイオジェット燃料生産プロセスを確立し、スケールアップを図りつつ、国産バイオジェット燃料の製造実証を行う。
同社は今回、環境省の同事業に木質バイオマス由来のエタノールからバイオジェット燃料を生産する実証事業を提案し、採択された。
今後の株価推移については、今日の終値733円は時価総額81.7億円で発行済株式数およそ1,114万、日足は今年3月につけた年安560円から短期2倍超えリバ達成して7~800円のレンジ、IPO直後は一時人気化して初値1,160円から上場来高値1,994円をつけた実績、目下時価総額が5,862億円の三井化学 (4183)との関係含め材料豊富等、現状は以前に比べると燻ってはいるもののいずれ公開価格1,160円を奪還しそうなポテンシャルを何とは無しに期待させられてしまう。
無論、今後突如として何らかの悪材料が出現したり地政学リスク等に見舞われて株価暴落が起こらない保証は一切無い点は言うに及ばない。