最初に断っておくが、当記事は銘柄の株価が今後上昇する事を保証したり、買い推奨したりする性質のものではない。あくまで現状の材料に基づいた個人の私見であり、当記事を参考にして株式売買をした結果として損失が発生しても一切保証出来ない事は留意されたい。
今回は、ユミルリンク(ユミル) (4372)について簡易的に考察して株価動向を予想したい。
初値は大幅高も、一時は公開価格割れ
ユミルリンク(ユミル) (4372)は2021年9月22日(水)、東証マザーズに新規上場(IPO)した。現在は東証グロース市場に所属し、銘柄の概要は下記の通り。
メッセージングサービス「Cuenote」の開発・提供を手掛ける。阪急阪神HD系。
公開価格は1,000円で、初値は1,711円。当日は一時1,847円迄上場来高値を伸ばしたが、その後は公募当選組の利食いが先行したか大陰線引け。以降も上場したてのIPO銘柄にありがちな乱高下を繰り返しながら下値切り下げ、同年11月11日には公開価格を割れて991円迄上場来安値を安猫した。
しかし、翌12日引け後に上場後最初の決算(ユミルリンク【4372】、1-9月期(3Q累計)経常は2.7億円で着地 | 株探ニュース)が出されると、翌日は窓を開けてGU寄り付き。前日終値1,042円に対し、始値1,155円から一時1,297円まで上昇。当日はその後売り先行で陰線引けも、翌日以降買いが継続して18日には1,350円迄買われた。
だが、またしてもその後売り優勢に転じ、12月2日には再度1,000円割れ。そこから1,100円付近のボックスで推移し、今年1月19日には上場来安値を990円迄安猫した。
上方修正と新規大株主の出現で反騰攻勢、次は5月の決算意識
そんな折、2月2日の引け後に上方修正(ユミルリンク【4372】、前期経常を一転22%増益に上方修正・最高益更新へ | 株探ニュース)が開示される。市場はこれを好感し、翌日の株価は急伸。前日終値1,179円に対し、始値1,230円で寄り付いて一時1,376円まで年初来高値を高猫。翌日以降の株価はこれまた軟調に戻ったものの、75日線をサポートにレンジが1,200円の軸に一段階移行。
更に、3月5日引け後に新規大株主の大量保有報告書(ユミルリンクについて、MIRI Capital Management LLCは保有割合が5%を超えたと報告 [大量保有報告書] | 株探ニュース)が提出される。翌7日はGD寄り付きで始まるも、寄り底から大陽線示現で1,400円台引け。その後も追加の保有増加報告(ユミルリンクについて、MIRI Capital Management LLCは保有割合が増加したと報告 [変更報告書No.1] | 株探ニュース)が出された事も思惑視されたか、上昇する5日移動平均線に沿って上値追いが続き、同月25日には年初来高値を1,677円迄高猫した。
それから株価は上昇疲れの小一服からかレンジで推移、今月に入って2度1,400円を割れる場面があった。しかし、その辺りの水準は押し目買い優勢な様で都度反発、今日は久々の窓開けGUから1,573円で引けている。
目下追加の材料が出ていない現状では1,600円が一先ずの上限として意識されるのだろうが、日足週足月足を確認するときっかけさえあれば初値1,711円は愚か、上場来高値1,847円が手に届きそうな状況である。前回上方修正が出された事から来月13日に予定されている決算に向けて先回り期待買いが入ったり、前述の新規大株主が保有増加報告を提出する可能性は大いにある。結局は今後の展開次第になってしまうものの足元の需給は悪くない、初値奪還から更に新高値を獲って来る期待値は高いのでなかろうか。
無論、今後突如として何らかの悪材料が出現したり地政学リスク等に見舞われて株価暴落が起こらない保証は一切無い点は言うに及ばない。