最初に断っておくが、当記事は銘柄の株価が今後上昇する事を保証したり、買い推奨したりする性質のものではない。あくまで現状の材料に基づいた個人の私見であり、当記事を参考にして株式売買をした結果として損失が発生しても一切保証出来ない事は留意されたい。
今回は、クリングルファーマ(クリングル) (4884)について簡易的に考察して株価動向を予想したい。
上場初日こそ初値からストップ高迄買われるも、その後は1/3以下に大暴落
クリングルファーマ(クリングル) (4884)は2020年12月28日(月)、東証マザーズ市場に新規IPO上場した。現在は東証グロース市場に属し、銘柄の概要は下記の通り。
HGFタンパク質を用いた難治性疾患の治療薬の研究開発を手掛ける。
公開価格は1,000円、初値は1,480円、当日には一時ストップ高は上場来高値1,780円迄買われている。
<4884> クリングル 1203 -
公開価格(1000円)を48%上回る1480円で初値を付けた後、ストップ高まで上昇している。会社設立は01年12月21日。主な事業はHGF(肝細胞増殖因子)タンパク質を用いた難治性疾患治療薬の研究開発。21年9月期の営業損益予想は10.37億円の赤字(前期実績は1.71億円の赤字)。ALSパイプラインやGMP(医薬品製造・品質管理の基準)製造の研究開発費などで販管費が87.6%増の11.98億円に膨らみ、赤字が拡大する見通し。
しかし、以降は度重なる赤字決算(クリングルファーマ【4884】、上期経常は1.9億円の赤字で着地 | 株探ニュース)(クリングルファーマ【4884】、今期最終は赤字拡大へ | 株探ニュース)(クリングルファーマ【4884】、10-12月期(1Q)経常は赤字拡大で着地 | 株探ニュース)やMSワラント(クリングル【4884】2021年10月15日 開示情報 - 第三者割当てによる行使価額修正条項付第10回新株予約権の発行及びコミットメント条項付き第三者割当契約の締結に関するお知らせ)が重しとなったか今年5月14日には上場来安値を542円迄安猫し、上場来高値1,780円から3分の1以下に大暴落した。
8月10日にイベドリを控え、新株予約権の行使完了とオルガノイド材料豆乳
同社は今年8月10日、株価に影響を及ぼす可能性が有るイベドリ(イベントドリブン)を控えている。
Q ALS に対する第Ⅱ相試験の解析終了予定について、8月以降になるなど、色々な情報が飛び交っているようですが、以前は、2022 年前半との説明であったかと記憶しています。状況に何か変化があったのでしょうか? そうなると、治験結果開示のタイミングはどうなるのでしょうか?
A ALS の第Ⅱ相試験はすでに患者組入れ及び最終症例の継続投与期が終了しており、データ解析の段階にあります。本試験は医師主導治験として実施しており、当社はデータ解析には関与しないことになっており、現在は解析結果が出るのを待っている状態にあります。当初は、2022 年前半に解析データを受領できると考えていましたが、東北大学からの最新の情報としましては、解析終了予定日が8月 10 日とのことであります。結果開示のタイミングにつきましては、東北大学から解析結果の連絡を受領後、適切に開示させていただきます。
イベドリを前に、今月5日の引け後に行使完了(クリングル【4884】2022年07月05日 開示情報 - 行使価額修正条項付新株予約権の行使完了及び月間行使状況に関するお知らせ)、そして12日の前場中にはた自家腸上皮オルガノイド移植(クリングル【4884】2022年07月12日 開示情報 - 再生医療に関する東京医科歯科大学との共同研究の進捗について)材料を相次いで開示。
当社の代表取締役社長 安達喜一は次のように述べています。
「本臨床研究はオルガノイドを移植する画期的な再生医療研究であり、難治性の潰瘍性大腸炎の患者さんに対して組織再生を促す新たな治療法となることが期待されています。当社が供給している医薬品グレードの組換え HGF タンパク質は、移植治療に用いる腸上皮オルガノイドを作製する際に他の因子と共に使用されています。マルチな作用を持つ HGF は、再生医療研究においてさまざまな使用方法が検討されています。本研究は、組換え HGF タンパク質そのものをヒトに投与するものではありませんが、再生医療における HGF の新たな付加価値を生み出しています。当社は本再生医療の実現に向けて、引き続き同大学との協業を進めてまいります。」引用:クリングル【4884】2022年07月12日 開示情報 - 再生医療に関する東京医科歯科大学との共同研究の進捗について
尚、世界初との事。
研究成果の意義
本研究において自家腸上皮オルガノイドを潰瘍性大腸炎患者に移植するFirst-in-Human臨床研究を世界で初めて実施しました。これは革新的な技術により培養されるオルガノイド(=ミニ臓器)を移植治療に用いた世界初の実施例でもあり、さまざまな臓器におけるオルガノイド医療の実用化に道を拓く第一歩となる成果を達成しました。今後、同技術を用いた2例目以降の移植が計画されており、これにより潰瘍性大腸炎に対する自家腸上皮オルガノイド移植の安全性(主要)及び効果が明らかになることが期待されます。また、同技術を応用・展開することによりクローン病※3等の他の消化管難病に対するオルガノイド医療の開発が進むことも期待できます。
株価は当日、一時ストップ高860円迄上昇。
オルガノイドは「ミニ臓器」とも呼ばれ、小さな臓器のような構造と機能を備えた細胞の集合体。
今後の株価推移については、目先底値は542円と549円のダルブボトムで確認済み、MSワラントの新株予約権は行使完了、世界初のオルガノイド材料、日足は一目均衡表の雲を上抜け、週足は雲凸乳、月足は12ヶ月移動平均線上に頭出し、本日終値819円は時価総額にして41億円程の軽量級、同胞バイオセクター銘柄のリボミック (4591)やキャンバス(CANBAS) (4575)(キャンバス(CANBAS) (4575)の株価は今後どうなるか【2022年6月17日(金)】)等が先駆して思惑材料イベドリ期待で初動から2倍以上の大化け相場を達成済み等を勘案すれば、展開次第では今年3月につけたYH896円の高猫を手始めに、週足雲上限である966円、更に続くならば公開価格1,000円奪還からその上すら目指せる素地は整っていると言えるかも知れない。
無論、今後突如として何らかの悪材料が出現したり地政学リスク等に見舞われて株価暴落が起こらない保証は一切無い点は言うに及ばない。